縫製業、と言っても私たちのような手袋工場もあれば、アパレル、カーテンやテントを縫い上げるような会社もぜんぶ縫製業です。工場規模の大小も、その運営内容にあわせて様々です。
アジア圏に大きな工場をもつ大規模メーカーでは、ミシン100台!裁断機20台!仕上げ用アイロン50台!というように、想像も付かないぐらい大量の機械が設置してあり、朝から夜までフル稼働しています。
そこでは地元の従業員が200人~500人で、毎日仕上がる製品の数も1000~10000ぐらいだそう。
(以前、有川工業が中国の工場にある製品の縫製を依頼したとき、打ち合わせの段階で「数はいくつですか?」「約10000ぐらい」と答えたところ、こちらは1月に1万、という意味で発言したのですが、むこうは1日に1万と解釈したようで、それでも平然としばらく会話がすすんでいたそうです)
さて、そういう工場では、効率化を突き詰めた結果いわゆる流れ作業のような形をとっているところが多く、1つの製品をつくるのにたくさんの人がかかって出来上がるようです。
つまり、この製品のこの部分だけを縫う、縫ったら次の人へ渡す、というような行程を経て製品ができあがるようです。
このやり方ですと、安定した品質、安定した生産数で供給できるので、なかなかメリットがあるのですが、デメリットは細やかな対応ができないことと、おそらく仕様変更などがそうそう行えないことが挙げられるでしょう。
一方、小規模な工場では、一人が1つの製品を作り上げることが多いようです。そのメリットは、製品一つ一つに対し柔軟に対応できる点(たとえば裁断の段階でミスがあっても、縫製の時にストップをかけたり、可能ならその場で修正をしたり)でしょう。デメリットは、先ほどの工場のような大規模生産が難しいこと、一人で多用な技術を身につけないといけないこと、その人がケガをしてしまうと、生産数にきなくなってしまうこと、などでしょう。
有川工業も、いろいろなサイズの手袋を1枚ずつ縫うため、この形態をとっています。
効率化できるところはできるだけ流して、手袋本体の縫製は担当の人が一人で縫い上げます。
同一規格のものを、とにかく安くたくさん作るか、さまざまな内容の製品を、少数ずつ作るか、という考えで工場の規模、内容が変わってくるようです。