先日、いつも使っている刺繍ミシンをメンテナンスするために、たくさんあるねじを外し、いらないグリスをぬぐって新しく付け直し、針の高さと降りるタイミングの微調整をしました。
ミシンは、針のタイミングが命。きれいに縫えるのも、糸がしっかり締まるのもこのタイミングにかかっています。
で、一度ねじで固定したらあとはもう触らないでいいのかというとそうでもありません。
いくらねじで留めていても、長い間使っていると微妙に狂ってきて、知らず知らずのうちにタイミングがずれてきます。
そういうのをいったんリフレッシュさせるために、定期的に大幅なメンテナンスをしてやる必要があるのです。
そのたびに、いや~よくできてるなぁ、と思うんです。
弊社にあるのはこんな大きなやつじゃないのですが、工業用の刺繍ミシンというとこういった大量生産をするための機械です。
一度デザインを作り上げてしまえば、こうやって機械が一気に刺繍をしてくれます。
毎分1000針近いスピードで縫い上げていくこの機械は革新的なミシンだと思います。
弊社のグローブのネームやヘッドカバー、ネームタグなどの刺繍は、ほとんどがこの刺繍ミシンを使って作られています。
なんといっても、生産スピードの速さ。そして刺繍の正確さが素晴らしい。
特注のデータだったら、保存しておいて次回のご注文時に呼び出せば同じ刺繍をすることもできる。
以前はネーム刺繍の部分を外注しており、刺繍屋さんによる手振りの刺繍がほとんどでした。
手振り刺繍でネームされたものを見ると、なるほどこれはこれでいいもんだなぁ、と思うもんです。
文字はフォントのような決まった形ではなく、手書きのような味のある仕上がりになります。
ただ、この場合、同じ刺繍を何個も生産するのには向いていません。
このバルダンですが、データを作るときにもかなりコツが要るんです。
私も入社当時から比べるとだいぶん修行を積みまして、今では短時間でデータを作りあげ、バルダンで縫わせることができるようになってきました。
コンピュータでデザインしていると、実際に刺繍されたときにどうなるかを常にイメージしながらの作成になります。
そのため、画面上でだけきれいなデータができていてもダメで、何センチ何ミリといった精密な作業にプラスして、実際の刺繍ミシンの動きを知っていなければいけません。
その差分さえしっかり理解すれば、比較的容易にデータを作ることができます。
毎日、データを作りながら勉強させていただいております。