現在のヒツジ革の事情その2

さて、そんな革のグローブですが、1枚の革の中でもたとえばお腹側と背中側では質感や強度が異なります。

より柔らかいグローブにしようとするとお腹側の革を使いますし、少し大きめの手の方には丈夫そうな背中に近い部分を使ったりします。

 

しかし、そんな使い方ができるのもの、皮1枚がある程度の強度を持っている、という前提の元に限ります。

お腹側にも繊維が固まってころころした部分もありますし、背中側にもキズ等で弱くなっている場所もあります。

今、当社で革のグローブの注文を制限している理由がここにあります。

まず、革1枚をばさっと広げて、手で引っ張って破ける部分は先に破いておきます。

先ほどのキズや弱っている部分はこの時点で取り除いて、その残った部分で手袋を作っていきます。

そうすることでなんとかグローブの強度はそれなりに確保できるのです。

しかし、明らかに効率が悪いです。

皮のほとんどの部分が使えない部分として捨ててしまうわけなので、当然グローブの価格も上がってしまいます。

 

このあたりが難しいところではあるのですが、不良品を出すよりはマシ、と割り切って作業をしています。

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